我楽多三昧の備忘録

GS-3000修理

第一電波工業の壊れたGS-3000がやって来ました。外観はきれいですが、電源が入りません。

リニアレギュレータ方式の電源で仕様は13.8V、30A出力です。
電流計だけで電圧計はありません。電圧は固定で調整ボリュームはありません。
出力ターミナルは前面に2系統ありますが、後面にはありません。
好みとしては電圧計と、後面にターミナルがほしいですね。
100Wトランシーバーの外部電源としてはシンプルで、容量もぴったりの仕様だと思います。リニアレギュレータでノイズも心配ありません。
ただ、レギュレータへの入力は約25Vで、出力13.8V まで落とすと結構落差が大きく、不経済(効率55%位)、熱大丈夫かな!?
FTDX3000を100W送信の場合、取説上23A流れると記載されていますのでTRが260W消費します。
ちょっとした電熱器になります。
まずは修理です。うまく修理できれば、GS2000Dと入れ替えることにします。

分解して内部を見ると、作りはかなりしっかりしています。
トランスは19V30A
制御TRは2N3055 x4個が大型ヒートシンクに載っています。
ドライブTRは2SD880->2SD717ダーリントン接続
誤差電圧アンプは2SC2236
基準電圧はツェナーDiで作ります。
付加回路として
保護回路・・・出力電圧異常時、整流出力を遮断(リレー方式)
クーリングファンは温度制御されています。(制御TRの周囲温度を検知して、一定温度をオーバーすると回転)
温度制御はヒートシンクに埋め込まれた温度センサーの抵抗値を検知し、TA8505Pでコントロールしています。

故障の症状は、電源が入らない。電源SWを入れた瞬間に保護回路が働き、リレーが入力(整流後)を遮断してしまいます。
出力電圧が異常に高くなっていると思われます、保護回路を殺して電圧を確認すると20V近く出ていました。
原因探しですが、回路図がありません。メーカーサイトにもありませんでしたが、ネットを探すとJH7UBCさんが回路図を書き下ろし、UPされていましたので参照させてもらいました。感謝いたします。

おそらく、制御回路に使用している半導体の破損と推測し、使用半導体を一式購入しました。面倒ですが、1個づつ基板から外して確認しました。
すべてOKです。
残された候補は、出力電圧監視の分圧に使っている半固定VR(カーボン被膜:1KΩ)です。テスターで当たると100KΩ近くの高抵抗で不安定。
犯人はカーボン被膜半固定VR(VR4)でした。

部品箱を探しましたが1KΩが無く、500Ωで代用、ツェナーDiも新しいのに交換しました。
5.4V用がないので、6.2V用で代用しました。
いろいろ代用し誤差電圧検出の条件が変わってしまいましたので、分圧抵抗も最適化しました。

Vout=Vzd・(R1+R2)/R2・・計算どうりの電圧が出てきています。
コントロールはうまく出来ているようです。
せっかく購入した半導体です。このまま遊ばすのはもったいない!すべて交換して修理完了としました。

少し気になる事
FTDX3000を負荷にエージングしました。
受信状態では冷却ファンは回転しませんが、少し送信状態にすると回転し始めます。
その回転音が、少し大きな音です。
24V用のファンを20Vくらいに落として使っているようですが、少し気になります。
もう少し、電圧を落とした方がいいかもしれません。
カバーを取り付けてしまった後気づいたので、しばらくこのまま様子見です。


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